Silent

森の言葉を聞き

宇宙の言葉を聞く


闇の中に青空を見る。


そう、無音の中に音を聞く。


もう、消えてしまうのではないか?

と思った。


ほんとうのことを、見てしまった時

見ないふりをして、生きていくこともできる。


ただ、それは自分の中でどんどん大きな存在になっていくだろう。


それに耐えられなくなった時

ふと、後ろを見る。

見てしまう。


あの場所で

生きていてもいいのだろうか

と。


存在が大きく広がり、すべてを包んでいく。

すべてと溶け込んでいく。

一瞬にして、全てになる。


わかっている。


そうなるために

全てを

失わされている。

お手上げにされている。


でも、もう、全てが、わたしの思考を超えてある。

思考は浅ましい。

丸裸になったわたしは、ただ、捧げるのみだ。

手放す。

ということだ。


次が用意されているのであれば、ただ、それに従おう。


あの闇を

知っている。

そう口に出すだけで、

安らぐのだ。

だからこそ、生きていける。

光だけではいきられない。

混沌とした闇の中に、

ある豊かさがなければ。


闇を抱えたまま

有象無象を

醸し、発光させる。

何かが組み変わっていく。


視えるという範疇を超えていく。

感じるという範疇を超えていく。


爆発するような

膨大な拡散と膨大な収縮と。


生み出すのではなく

有り様を、ただ、置く、だけ。


海となり山となり

川となり雨となり

土となり


光が相殺し合う

場で。

影は、失う。


飛びだすのなら

宇宙の果てまで。


手を伸ばせるのなら

その先に。